日本酒の酵母・清酒酵母一覧
- カテゴリ: 豆知識
- 最終更新日:2018年07月05日(木)13:10
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きょうかい酵母 - 日本醸造協会
酵母 | 特徴 |
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協会1号 | (桜正宗、兵庫)全国60余株より選択、濃醇強健、低温発酵 1906年(明治39年)~1935年(昭和10年) |
協会2号 | (月桂冠、京都)糖のくい切りよく濃醸 (明治末)~1939年(昭和14年) |
協会3号 | (酔心、広島)変質のため使用中止 1914年(大正3年)~1931年(昭和6年) |
協会4号 | (不明、広島)醪の経過良好 1924年(大正13年)~1931年(昭和6年) |
協会5号 | (賀茂鶴、広島)果実様芳香 1925年(大正14年)~1936年(昭和11年) |
協会6号 | 通称「新政酵母」、秋田。発酵力強く、澄んだ穏やかな香り(やや低い)、味よし 1935年(昭和10年)~ |
協会7号 | 通称「真澄酵母」、長野・宮坂醸造から分離。芳香よし、発酵力強、酒質優秀。最も多く使用されている酵母、近代酒質の基調に。吟醸酵母の香りが注目されるようになった発端。 1946年(昭和21年)~ |
協会8号 | 6号の変異株。多酸濃醇 1962年(昭和37年)~1978年(昭和53年)。2003年(平成15年)頃~実用復活。 |
協会9号 | 通称「熊本酵母」「香露酵母」、熊本県酒造研究所から分離。華やかな芳香あり、7号より酸の生成が少なく短期で醪(もろみ)になりやすい。75年頃から吟醸酵母の主流に。 1968年(昭和43年)~ |
協会10号 | 通称「小川酵母」「明利小川酵母」。酸少なく軽快な酒質、吟醸酒向き。吟醸高く長期醪になりやすいがアルコール耐性弱い 1977年(昭和52年)~ |
協会11号 | 7号のアルコール耐性株(変異株)、醸造試験所。よりやや酸多く、醪末期で死滅しにくい、リンゴ酸多い(酵母) 1975年(昭和50年)~ |
協会12号 | 通称「浦霞酵母」「初代宮城酵母」など。芳香高く吟醸酒向き、低温でよく発酵する酒質優秀 1966年(昭和41年)~1995年(平成7年) |
協会13号 | 9号と10号の交配株、醸造試験所。それぞれの欠点を補う、酸少なくアルコール耐性が強く吟香高い 1981年(昭和56年)~ |
協会14号 | 通称「金沢酵母」など。生成される酸が少なく、澄んだ味の仕上がり。9号と比べると香りが穏やかで食中酒としての適性が高い。特定名称清酒に適す。 1996年(平成8年)~ |
協会15号 | 秋田流・花酵母AK-1。酸少なく吟香高い、マイルドな味わいに。 1996年(平成8年)~ |
協会18号 | |
協会28号 | リンゴ酸高生産性多酸酵母。泡なし。1. 酸度が高い、2. リンゴ酸量が全有機酸量の80%を占める、3. コハク酸が少ない、4. 香気生成は7号と同じ。リンゴ酸が主成分であることを特徴とする多酸酒、ブレンド用、増醸酒用、貴醸酒用、長期熟成酒用、低濃度酒用。 |
協会77号 | リンゴ酸高生産性多酸酵母。泡なし。1. 酸度が高い、2. リンゴ酸量が全有機酸の60~70%前後占める、3. コハク酸が少ない、4. カプロン酸エチル高生産性。リンゴ酸が主成分であることを特徴とする芳香の高い多酸酒、ブレンド用、増醸酒用、貴醸酒用、長期熟成酒用、低濃度酒用。 |
協会601号 | もろみで高泡をつくらない泡なし酵母。性質は6号酵母と同じ。 1973年(昭和48年)~ |
協会701号 | もろみで高泡をつくらない泡なし酵母。性質は7号酵母と同じ。 1969年(昭和44年)~ |
協会901号 | もろみで高泡をつくらない泡なし酵母。性質は9号酵母と同じ。 1975年(昭和50年)~ |
協会1001号 | もろみで高泡をつくらない泡なし酵母。性質は10号酵母と同じ。 1984年(昭和59年)~ |
協会1401号 | もろみで高泡をつくらない泡なし酵母。性質は14号酵母と同じ。 |
協会1501号 | 通称「秋田酵母」「秋田流・花酵母AK-1」など。泡なし酵母。従来の酵母とは異なり、最近のバイオテクノロジーの成果でもあるカプロン酸エチルの非常に高い芳香を出す酵母。低温長期型もろみ経過をとり、酸が少なく、吟醸香の高い特定名称清酒に適する。「K-7グループ」。 |
協会1601号 | 協会7号と協会1001号の交雑選抜株。[13]、少酸性酵母、「旧No.86酵母」。 |
協会1701号 | 高エステル生成酵母 |
協会1801号 | 協会1601号と協会9号の交雑から選抜された酵母株。 |
KArg1901号 | 協会1801号の尿素非生産株。 |
赤色清酒酵母 | K10号酵母の派生、突然変異。 |
KT901号 | きょうかい901号[K-901]から新たに分離した「酸生成の多い」清酒酵母。もろみの酸度が親株より0.5~0.8mlほど高くなる株で、味に爽やかさと旨味が増すリンゴ酸とコハク酸が増える。 |
地域開発酵母 -
地方自治体の試験研究機関、工業技術センターや醸造試験所などで開発
酵母 | 特徴 |
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青森 | まほろば酵母 |
岩手 | YK-4 YK-71 岩手吟醸2号酵母 : 平成5年~ ジョバンニの調べ : 薫り高く華やかな味わい。平成21年~ ゆうこの想い : 穏やかな香りと優しい味わい。平成21年~ |
宮城 | 宮城酵母、宮城B酵母、宮城マイ酵母 |
秋田 | 秋田流・花酵母[AK-1] ⇒ 協会15号として取り上げられた。 秋田酵母[AK-3] 秋田流・雅酵母[AK-4] こまち酵母、華こまち酵母 |
山形 | 山形酵母[KA-1] : 酸少なく吟香高い、マイルドな味わいに。 山形酵母[KY-0107] 山形酵母[YK-2408] : 高リンゴ酸生成酵母。 山形酵母[YK-2911] 山形酵母[YK-901-11] |
福島 | うつくしま夢酵母[F701] : 酸少なく吟香高い、マイルドな味わいに。 |
茨城 | |
栃木 | 栃木酵母T-K、T-1、T-S、T-F |
群馬 | 群馬KAZE、G酵母、G2酵母 |
埼玉 | 埼玉C、埼玉D、埼玉CO-1 |
東京 | [ND-4] : 東京農大 |
新潟 | 新潟酵母G-9 |
福井 | ふくいうらら酵母[FK-301] [FN-7] |
長野 | 長野アルプス酵母。長野県食品工業試験場が開発。「デリシャスリンゴ香」のパイオニア、派手な香りと口中でふわっと広がる甘く、かつ切れ味の良い吟醸香が特徴。吟醸香の成分であるカプロン酸エチルの生産量が高い。1990年の全国新酒鑑評会を席巻。 |
岐阜 | 岐阜G酵母 |
静岡 | 静岡酵母[HD-1] : 酸の生成は少なく、吟香高い。「メロン香」のフロンティア、酢酸イソアミル優勢の柔らかな果実香。1986年の全国新酒鑑評会で『吟醸王国しずおか』の名を全国に知らしめる。 [静岡NEW-5] [静岡NO-2] |
愛知 | FIA1、FIA2 |
三重 | |
京都 | |
滋賀 | 近江虹酵母KKK-9 |
和歌山 | |
島根 | [島大HA-11号] : 島根大学。 島根K1 島根S |
岡山 | 岡山2号、岡山4号、岡山101号、MJ酵母 |
広島 | 広島酵母2号 : 芳香より発酵力強い 広島酵母6号 せとうち21号酵母 |
山口 | 山口9E、山口9EMM、山口9MSKA、山口701、山口9号 |
徳島 | LED夢酵母 : 徳島県立工業技術センターが開発 |
愛媛 | EK-1 コスモス華酵母 |
高知 | [A-14][AA-41][AC-17][AC-95] : 高知県工業技術センター 土佐吟醸酵母CEL-19 |
福岡 | ふくおか夢酵母 : リンゴ酸高生産酵母、福岡県工業技術センターが開発。 ふくおか夢酵母2号 ふくおか夢酵母3号 ふくおか夢酵母4号 |
佐賀 | 卑弥呼フレーバー酵母 |
熊本 | 熊本1号[KA-1]、熊本4号[KA-4] |